特別展「台北 國立故宮博物院―神品至宝―」が開催中です。
中国の歴代皇帝のコレクションを70万件も所蔵する國立故宮博物院は、
世界有数の博物館。今回の特別展では、70万件の中から厳選された
110件が展示されるということで、
9月の段階で西鉄福岡駅に大きな広告が出されるなど、
開催前から非常に大きな注目を集めていました。

一般公開前の10月6日月曜日に行なわれた開会式が、
三輪嘉六館長のほか、今回の特別展を共同で企画した東京国立博物館
(東京展は6月24日〜9月15日に開催)の銭谷眞美館長、
そして國立故宮博物院の馮明珠(ふう・めいしゅ)院長、
日華議員懇談会副会長の衛藤征士郎衆議院議員、福岡県の小川洋知事、
太宰府天満宮権宮司の西高辻信宏氏、
さらにPRするサポーターとして王貞治福岡ソフトバンクホークス会長、
陶芸家の十四代今泉今右衛門さん、各マスコミの重役陣、
最後に福岡県のマスコット・キャラクター、エコトン、
熊本からくまモンまで出席して盛大にとり行われました。

左からエコトン、小川県知事、三輪館長、くまモン
開会式の出席はかないませんでしたが、エッセイストの阿川佐和子さん、
アーティストの一青窈さんもPRサポーターを務めていらっしゃるということで、
国博入り口に向かうトンネルの壁に、阿川さんのサインされたポスターが
飾られているのが目を引きます。

この開会式の盛大さを見ても今回の特別展がどれだけ長く熱望されていたかが
わかりますが、展示内容も110件のうち46件が九州限定公開であったり、
國立故宮博物院の展示品の中で人気の2トップと言われているという
門外不出の清朝時代の彫刻二品が、東京では翠玉白菜、
九州では肉形石と分けてそれぞれ限定展示されていることになっていたりするなど、
今回の九州での特別展が、文字通り「特別」であることを示しています。


左の翠玉白菜はおみやげ品の絵はがき、右の肉形石はパンフレットより
九博での特別展は11月30日まで開かれていますが、
注目を集めている「肉形石」の展示は2週間のみということで
10月20日(日)までの限定公開になるそうです
(その後は、これまた可愛い「人と熊」が展示されるとのこと)。
写真だけで見ると、ついパンに見えてしまったりするのですが、
本物を見ると豚の角煮を皮の質感まで忠実に再現されていて驚異的です。
ということもあり、今回の特別展は特にお早めにご覧になることをお勧めします。
展示を見終わった後に、特別展ごとのお土産品を見て回るのが楽しみな方も
多いと思いますが、今回並んでいた中で最も印象的だったのはこれでした。

お肉を模して掘られた彫刻の名品にわざわざ似せた肉製品というのが、
少々倒錯した形のお土産品のようにも感じられますが、
何かに似たものを作ってみたいという人間のアーティスティックな願望は、
清の時代も現代も変わらないようです。