2014年08月10日

この夏、「クリーブランド美術館展」で日本美術を堪能する

クリーブランドは米国北東部にあるオハイオ州第2の都市。
有名な五大湖のひとつ、エリー湖の南岸に位置するこのクリーブランドは
人口40万人ほどの小さな規模ながら、文化都市としての性格を持つことでも
知られているのだそうです。
そんな都市の文化的施設の中でも有名なのがクリーブランド美術館
(The Cleveland Museum of Art、http://www.clevelandart.org/)。
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1913年に開館し、100年の歴史を持つこの美術館の特色のひとつは、
所蔵している日本美術の膨大なコレクションで、
それがこの夏、九州国立博物館(http://www.kyuhaku.jp/
の特別展で公開されています。

題して「夏、いちばんの日本美術」
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クリーブランド美術館が、このように東洋美術、
とりわけ世界屈指と言われる日本美術のコレクションを
所蔵することが可能になった理由のひとつには、
名館長シャーマン・リー博士(1918〜2008)の存在があります。

博士は第二次大戦後、1946年にGHQ(連合軍総司令部)下の
民間情報教育局 美術記念物課の美術顧問官に就任し、
日本の文化財の調査、保存の仕事に従事した経験の持ち主。
その後、東洋美術専門の主任学芸員として
1952年にクリーブランド美術館入りし、
その後、1958年から1983年までは館長を務めた人物です。

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クリーブランド美術館は博士の尽力で、
東洋美術の充実ぶりで知られることになります。
なかでも日本美術に関しては、世界屈指のコレクションを誇ります。

そんなクリーブランド美術館から里帰りした
日本美術の名品たちをじっくり鑑賞しながらの
「平安時代から明治初期にいたる日本美術千年の旅」
というのが特別展のコンセプト。

今回、展示法にもまた工夫が凝らされています。
雪村の「龍虎図屏風」(右隻)の場合は、
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その墨絵の繊細な表現が光の当たり方でどう違って見えるか
体験できるように、通常は一定の明るさにするところを、
敢えて暗〜明〜暗と変化する照明を当て、
まるで一日の時間の変化の中で鑑賞しているような体験を
することができます。

また最後のコーナーでは、東洋美術に限らない総合美術館としての
クリーブランド美術館の「実力」を知ってもらうために、
ピカソモネルソーなどフランス近代絵画も4点ほど特別出展されており、
これも非常に大きな印象を残します。

なお、余談になりますが、シャーマン・リー博士はGHQ入りする前、
佐世保に駐留していたことがあり、
その時期に九州北部の窯元を回った経験もあるそうで、
九州に縁のある人物とも言えます。
博士の魂にとっても、今回の九州国立博物館での特別展は
いい「里帰り」になったことでしょう。

8月31日まで。
posted by teradaya at 17:46 | 日記